PCの不具合を解消する一つの手段として「PCの初期化」があります。
PCの調子が悪いからwindowsを初期化したほうがいいのかなと考えている方は一度この記事で本当に初期化をするべきか確認してみてください。
PCを初期化してしまうと今まで使っていたデータが全て削除されるので、慎重に行う必要があります。
今回は、本当に初期化が必要になった時に行っておきたい準備、そして簡単に行える手順のまとめをお伝えします。
初期化してから後悔してしまう方も少なくありませんので、しっかり確認してアクシデントを防ぎましょう。
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初期化する前に
初期化とは
別名・リカバリーとも呼ばれます。
初期化すると、今まで保存してきたデータ、PCの設定、アプリケーションなどすべて削除されてまっさらな状態に戻ります。(※後述しますが、windows10では一部個人用データを残すことはできます)
したがって、なんらかのウイルスに感染しているがためにPCの挙動がおかしくなっていた場合は、ウイルスごとクリーンアップするため、PCを正常に戻すことができます。
しかし、基本的にはデータを削除して行なうものなのでバックアップが必要です。
本当に初期化が必要ですか?
初期化する前に、どんな理由で初期化をしようとしているのか一度考え直してみましょう。もしかしたら初期化しなくてもいい可能性もあります。
初期化すること自体は簡単ですが、初期化することで全てのデータはもちろんご自身のPC設定なども全て消えてしまいます。
「本当に初期化をしないといけない状態」をしっかりと確認し、ご自身のPC状態が当てはまるいかどうか見てみましょう。
初期化をしなければならない状態
それでは、どういった状況の時にPCは初期化しなくてはならないのでしょうか。
PCに不具合が発生した場合
PCの初期化はハードウェアそのものに問題があるかどうか確認する際に必要になります。
PCの初期化が必要な時は、メーカーから初期不良や保証期間内の修理でメーカーから求められます。メーカーはPCトラブルを実際に確認し、ハードウェアの問題を確認する必要性を感じた時に初期化するよう求めてきます。
初期化した際に、以前メーカーの商品で見られたトラブルが再現できるかが判明し、再現できなかった場合はユーザーがPC利用後、周辺機器やインストールしたソフトが原因でトラブルがあったことが分かります。
PCを処分する場合
また他に初期化しなければならない場合として、PCを新しく購入し、使っていたPCを処分するときも該当します。万が一自分のPCが他の人の手に渡ったら、という時にリスクを消しておくことが大切です。
PCを売りに出す際や家族や友人に譲る際も含めて、他の人にPCが渡る際は、自分の情報や他の人の情報がPCには入っているということを認識し、プライバシー保護のために初期化しておきましょう。
初期化ではなく復元も視野に
システムの復元とはPCのシステムファイルを特定の日時に戻す機能のことです。
何かトラブルがあったらすぐ初期化しないといけないと考えてしまいがちですが、初期化でなく復元も視野に入れておきましょう。
このシステム復元を行うことで、正しく機能していた時の状態に戻すことができます。初期化と違う点は、作成したドキュメントや画像、個人用ファイルの変更や削除は行われないという点が挙げられます。
このPCなんだか調子悪いなと感じたら、まずは初期化でなく復元を考えましょう。
大事なデータをバックアップ
復元をしても直らなかったり、PCを手放すことになった方はしっかりと大事なデータをバックアップしておきましょう。
PCのバックアップの方法は、外付けのハードディスクやUSBフラッシュドライブ、CD-R、DVDにデータを書き写しすことです。
バックアップの手順としてはPCに入っているデータを外付けハードディスクなどのファイルにドラッグ&ドロップすればコピーするだけなのでとても簡単です。
もし初期化する前に余裕があるようであれば、2つ同じデータを外付けハードディスクなどに移しておく事をおすすめします。
万が一バックアップ先が壊れてしまったという可能性に備えて、しっかりと対策しておいても悪くはないでしょう。
どんなデータを回収しておくと良い?
初期化する時のバックアップする時に回収しておきたいデータをあらかじめ確認しておきましょう。
まずは通常の文書ファイルです。保存先が変わっていると見逃してしまうことがあるので、お気に入りやブックマークなど隅々まで確認しておきましょう。またダウンロードしたソフトのインストールプログラムなども同じく取っておきたいデータです。
また初期化前のデスクトップのスクリーンショットも保存すると便利です。デスクトップにどういったデータやダイルを入れておいたか確認し、以前と同じ使い勝手にしたほうが便利ですよね。
デザインなどをやっている方はフォトショップやGIMPなどのブラシ・効果などもコピーしておきましょう。仕事として使っているのであれば、新たに設定し直すとなれば、相当時間がかかって面倒なことになります。
フォントを追加している方もコピーを忘れないようにしましょう。
購入したソフトのプログラムとシリアル番号は同じファイルに入れおくことをおすすめします。初期化してしまった際にスムーズにタイプできるようにしておきましょう。
次ページ:windows7の初期化方法4つ
windows7の初期化方法4つ
BIOS画面から初期化のみ実行
それでは初期化を行いましょう。今回はWindows7の初期化をする手順をお伝えします。
まずPCの電源を入れ、BIOSのロゴが表示されたら、リカバリーが開始されるまでF1キーを断続的に押してください。すると「ファイルを読み込んでいます」というメッセージが表示されますので、ファイルが読み込み終わるのを待ちましょう。
しばらく待つとシステム回復オプションが表示されるので、「言語」を日本語(日本)に選択し「キーボード入力方式」を洗濯して「次へ」をクリックしましょう。
クリックすると「回復オプションにアクセスするにはローカルユーザーとしてログオンしてください」と表示されます。「Administrator 権限のあるユーザー名」から該当するものを選択し、パスワードを入力しましょう。入力し終えたら「OK」をクリックします。
回復ツールを選択してくださいと表示されるので、メニューの中から「Windowsの再インストール」をクリックしてください。クリックすると「Windowsを再インストールしますか?」と表示されます。本当に再インストール(初期化)しても構わなければ「はい」をクリックしましょう。
「はい」をクリックするとリカバリー作業が始まります。リカバリー作業は30分〜60分ほど時間がかかる作業となっています。
このリカバリー作業が完了するとPCが再起動され「Windowsのセットアップ」画面が表示されます。これで初期化が完了し、データも削除されます。使用する際はデータが消えても問題ないか確認してから行いましょう。
付属のリカバリーディスクを使用して初期化する方法
リカバリーディスクを使用して初期化する方法があります。
まず、リカバリーディスクは、PCを初期化・リカバリーする時に使用するディスクのことを指します。PCにもともとリカバリーディスクが付属している場合は新たにリカバリーディスクを作成しなくても問題ありません。
付属のリカバリーディスクを使用する際は、電源を入れてからすぐにDVDドライブにリカバリーディスクを挿入します。するとPCがDVDを読み込み始め、しばらく待つと案内が始まりますので、案内に沿ってリカバリーを進めていきます。
また電源を入れた後にメニューにDVDドライブを選択し、DVDを挿入する方法もあります。このリカバリーディスクも使用すると初期化されてしまうので、データは全て削除されてしまいます。使う時は一度考えてから使うことにしてください。
ハードディスク内のリカバリー領域から
機種にリカバリーディスクが付属していない場合の多くは、ハードディスクの中に入っていることがあります。その場合はハードディスクのリカバリー領域からリカバリーすることができます。
このハードディスク内のリカバリーはハードディスクが壊れてしまうとインストールすることもできなくなるので、正常に動いている時にリカバリーディスクを作成することをおすすめします。
自分でリカバリーディスクを作っておく
リカバリーディスクが付属していない場合は、リカバリーディスク領域を使用してディスクを作成してからリカバリーを行いましょう。
作成手順としては、まずCD-RやDVD-Rを用意しておきます。そして、TOP画面から「スタートメニュー」をクリックし「ツール」→「再セットアップ用CD-ROM作成」のソフトをクリックしてください。
こちらのソフトがハードディスク内のリカバリー領域を読み出してCD-RやDVD-Rに書き込んでくれます。
リカバリーディスク作成には大体CD−R1枚とDVD-R3枚やDVD-R4枚ほど使用します。もしもリカバリーディスクが付属していない場合は初期化する予定がなかったとしても、時間を見つけて書き込みをしておくといいかもしれません。
またメーカーによって異なる場合があります。説明書を参考にしながら作成してみてください。
次ページ:windows8の初期化手順
windows8の初期化手順
windows8(8.1)にはリフレッシュとリセットという二つの似た機能があります。
リフレッシュは個人用ファイル(マイドキュメントやダウンロードなどに保存されているデータ)保存したまま、OSを削除するものです。任意でインストールしたアプリケーションなども削除されます。
こちらは、PCのパフォーマンスが低下してしまったが原因不明、といった場合にまず試すべき方法です。
リセットは簡単に言えば、初期化することです。そのため、PCがウイルスに感染してしまった疑いがある場合などはこの方法を試すと、ウイルスごと削除されるためPCが正常に稼働するようになるかもしれません。
リフレッシュの手順
歯車アイコン「設定」>「PC設定の変更」>PC設定画面が表示されるので、ページ左側のメニューより「全般」(windows8.1の場合は「保守と管理」)>PCをリフレッシュする「開始する」をクリック
- PCのリフレッシュという画面が表示されるので、「次へ」をクリックし、指示に従って進めます。
- 「PCをリフレッシュする準備ができました」と出るので「リフレッシュ」をクリックすると、開始されます。
- 「再起動しています」と表示され、リフレッシュが開始され、完了まで待ちます。
- リフレッシュが完了すると、自動的に再起動されますので、これにてリフレッシュは完了です。
削除されたアプリケーションはログイン後、デスクトップに「削除されたアプリケーション」という名前のファイルとして保存されているのでそれを参考に再インストールをしてください。
初期化(リセット)手順
歯車アイコン「設定」>「PC設定の変更」>PC設定画面が表示されるので、ページ左側のメニューより「保守と管理」>「回復」>「すべてを削除してWindowsを再インストールする」の下部の「開始する」をクリック
- 「PCを初期状態に戻す」という画面が表示されたら、指示に従い「次へ」をクリックします。
- 複数のドライブがある場合、「PCに複数のドライブがあります」と表示されます。 「windows がインストールされているドライブのみ」を選択します。
- 「ドライブを完全にクリーンアップしますか?」という画面になるので適したものを選択してください*。
- 「PCを初期状態に戻す準備ができました」というページになったら「初期状態に戻す」をクリックします。
- 初期化が開始されます。
- 初期化終了後、初期化してしまったため、アカウント設定などのセットアップ画面が表示されるので登録し終えたら完了です。
*「ファイルの削除のみ行う」:ハードディスクのデータを全削除してからOSの再インストールを行うオプションです。PCの不具合により初期化をしたいという目的の方はこちらを選択しましょう。
「ドライブを完全にクリーンアップ」:ハードディスク内のデータを復元ツールなどのソフトウェアを使用しても復元できないように完全削除してからOSの再インストールを行うオプションです。PCを処理したい方、他人に譲る方は安全面を考慮してこちらを選択しましょう。
参考:Microsoft Windows 8 – Windows 8 で「すべてを削除して Windows を再インストールする」機能を使って OS を再インストールする方法
windows10の初期化手順
windows10ではより初期化が簡便化されており、ユーザーは簡単に初期化を実行できるようになっています。
windowsスタートメニューより歯車アイコンの「設定」>windows設定ページの「更新とセキュリティ」>ページ左側メニューの「回復」>「このPCを初期状態に戻す」を開始するをクリック
以上の手順で進めていきます。「このPCを初期状態に戻す」を開始するをクリックすると、「オプションを選んでください」という表示が出現し、「個人用ファイルを保持する」と「すべて削除する」から選ぶことになります。
次ページ:「個人用ファイルを保持する」の場合
「個人用ファイルを保持する」の場合
ファイルはどうなるのか
すべてのアプリケーション(ご自身が任意でインストールしたアプリケーションなども削除対象となります)やプログラムは削除され設定値も初期化されるが個人用ファイルは残存されます。
この場合、windowsの再インストールが終了した後、デスクトップに「削除されたアプリ」という名前のファイルが作成されているため、それを参考に再インストールが可能となっています。
しかし、確実に残しておきたい大切なファイルはバックアップをとっておくことがベターでしょう。
初期化までの流れ
さて、初期化手順の話に戻ります。
- 「個人用ファイルを保持する」という方法を選択すると、「お使いのアプリは削除されます」というページになり、削除されるアプリケーションの一覧が表示されます。
- 「次へ」をクリックすると、「このPCを初期状態に戻す準備ができました」と表示されるので「初期状態に戻すを」をクリックしてください。
- 「このPCを初期状態に戻しています」と表示されます。完了後は、windowsの再インストールが始まりますので終了するまでしばらく待ちましょう。
- 再インストールが完了すると、アカウント情報は残っているため、ログイン画面が表示されます。
これで一通りの初期化は完了です。
ログイン後は、上述した通り「削除されたアプリ」というファイルがデスクトップにあるため、それを頼りにアプリを再インストールしたり、初期値設定に戻ってしまったパソコンの設定のし直しなどをすれば、元通りにご利用できます。
「すべて削除する」の場合
- このオプションを選択すると、「ドライブのクリーニングも実行しますか?」と表示されます。
- 「ファイルの削除のみ行う」と「ファイルを削除してドライブのクリーニングを行う」の2種類があり、後者はデータの復元を難しくするものです。そのため、PCを処分する際などはこちらがいいの方が安全でしょう。
- 選択後、「このPCを初期状態に戻す準備ができました」と表示されるので「初期状態に戻す」をクリックしてください。
- 「このPCを初期状態に戻しています」と表示されます。完了後は、windowsの再インストールが始まりますので終了するまでしばらく待ちましょう。
- 再インストールが完了すると、アカウント情報も削除されているためそこから設定しなおす必要があります。
その後は、バックアップしておいたデータを移す作業や初期化された設定をし直すことによって、いつも通りPCをご利用になれます。
初期化後の対応
不要なプログラムなどを削除
初期化後には購入時に戻るので、体型版のウイルスソフトやプロバイダの加入案内などが入っています。この古くて使えないプログラムは意外と容量を使っておりPCのパフォーマンスが悪化させてしまいます。
そのため、初期化したらすぐに不要なプログラムや古いアプリケーションを削除することをおすすめします。また不要プログラムを削除した後、必要なアプリケーションをインストールしておきましょう。
OSの更新
windows10以前では、PCを初期化するとOSは初期化当時の振りバージョンに戻ってしまいます。すぐにOSを新しいものに更新するようにしましょう。
バックアップの復元、再設定
初期化後にはバックアップの復元や再設定をすぐに行いましょう。初期化後に使うものだけとりあえず設定してしまうと、それ以外に使っていたものなどを再設定するタイミングを逃してします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回はwindowsの初期化する時の確認や初期化の準備・手順をご紹介しました。初期化をすることはpcに慣れている方でも非常にリスキーで怖い作業と言えます。
バックアップを取っていてもデータが一旦全て消えてしまうのですから、pc初心者の方がやるとなれば不安が募るのは当たり前です。
是非焦らず慎重に初期化を行うようにしてください。もしも準備や手順が問題ないか心配な場合は迷わずメーカーに問い合わせることをおすすめします。
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