ノートPCは携帯性に優れキーボード入力等の点からもその他のデバイスには無いメリットがありますので、多くの人がスマートフォンやタブレット端末をご利用されている中でも充分にシェアを確保していると考えられます。
ノートPCにおいてよく言われる懸念としてやはり熱を持つ事が上げられます。
これはOS及び他のアプリケーションのプログラムを処理する処理装置が電力を消費する際に発生するものなので、この放熱をどのように行うかも各メーカーにて考えられている点でもあります。
本記事ではこのノートPCにおける放熱処理を中心にどうやって熱をうまく逃がしてPCを利用していくかをご説明させていただきます。
スポンサードリンク
なぜノートパソコンが発熱するのか
では、ノートPCがどうして熱を持ってしまうのかという点ですが、この熱の発生はコンピュータの仕組み上避けられないものとなります。
ノートPCを含むコンピュータはその中にOSやアプリケーションを構成するプログラムを実際に動かす装置としてCPU(中央演算装置 Central Processing Unit)というものを搭載しており、この装置が各のプログラムを動かす際に電気を利用するとその処理の過程で熱が発生する事になります。
基本的にはこのCPUからの熱をうまく逃がしてCPUを冷却する事で安定したPC利用が実現できます。
処理負荷が高い
前項で触れましたCPUにはそのタイプにより処理能力が異なり、基本的には処理能力が高いものに関しては電力消費が多くなる傾向があります。
従いまして、いろいろなアプリケーションプログラムを多く処理させる(例えば、動画処理を複数実行する等)事でCPUの電力消費が高まる事になりますので、結果的にCPUから多くの熱が発生する事になります。
放熱部分をふさいでいる
CPUが熱を持つことはPCが動作する上では避けられない事は前述させていただきましたが、ほとんどのPCにはその熱を効率的に逃がす為の放熱処理が施されています。
ノートPCに実装されている例もあるかと考えますが、ファンを動かしてCPUに風を当てる事でその放熱を促す空冷方法は非常に一般的ですし、ファンが無いモデルでもCPUから熱を逃がす為の金属製の放熱板が付けられている設計や基盤上の隙間に空気の流れが当たるように設計されたものあると考えられます。
空気の流れを利用してCPUを冷却する場合には、熱をもった空気(CPUに当たって熱を奪った空気)を逃がす出口が必要となりますので、ノートPCには後ろもしくは横にスリットが入った場所がある筈です。
そちらから熱が逃げていく事を想定していますので、スリットがある場所は塞がないような環境でノートPCをご利用下さい。
置く場所がよくない
前項でスリットがあるノートPCはそこが放熱する際の空気の出口であるとご説明しましたが、非常に薄いノートPC等では本体横にはそういった場所が設けられずにPCの底側にしか作られていない場合があります。
そういったモデルの場合には机等の平面上ではわずかに底面には空気の入る隙間がありますが、布団や毛布といったところに置いてしまうと底面からの放熱が妨げられてしまい、ノートPC本体に熱が蓄積されてしまう様な状態になりかねません。
PCが熱を持ち続けているといろいろな問題が発生する事に繋がりますので、長時間ノートPCをご利用いただく場合には放熱に関してもご一考いただけますと良いのではないでしょうか。
ノートパソコンを冷却するメリットとは
ノートPCに限った事ではありませんが、PCに熱がこもってCPUからの放熱が上手く出来ない状態が続くとあまり良くない事象が発生する事になります。
PCからの放熱が上手くいかずCPUが高温度になり続けると基盤を伝わって他の装置までその熱が波及してしまい、最終的には熱暴走といってPC自体が勝手におかしな動作をする事になり、編集中のデータ等が消失してしまったりする事が発生します。
CPUを一定温度以下に保持しておかないといろいろなプログラム処理が正しく行われないといった事が発生しますので、出来る限りPCはあまり暑くない状態でご利用いただく事をおすすめします。
処理装置の負荷が軽減される
熱をもった状態のCPUは熱が無い状態に比較して処理負荷が増加します、これは簡単に表現すると熱により1回で処理できる命令が減少する影響を受ける事から性能が低下した様に見えます。
温度が下がる事で性能が元に戻る事になりますが、可能であればCPUに負荷を掛けないように放熱はきちんと対応した方が良いと考えます。
※やや技術的になりますが、熱のよる影響をCPUが受ける場合には、「サーマルスロットリング」というCPU自体に実装されている機能でCPUの動作クロックと動作する電圧が調整される事で温度を下げています。
触れても熱くなく、快適に使える
ノートPCはその携帯性も利点の一つですので、PCが熱をもってしまうとそんな状況を想定していない方がいきなりノートPCを動かそうとした場合に熱いと感じて手を放し落としてしまったりする事も考えられます。
また、移動中等で足の上にノートPCを置いて作業等をしている場合にも、底面が熱いと落ち着いて作業に集中する事も難しくなるのではないでしょうか。
次ページ:「ノートパソコンを冷却する方法」
ノートパソコンを冷却する方法3選
先に触れました通りPCが動作する上である程度の熱を持つ事はやむを得ない事ですが、一定の温度以上にはならないように出来る限り放熱は妨げないようにはすべきです。
但し、PCそのものに実装されている放熱の仕組みだけでは足りないといった事もありますので、ノートPCの放熱を助けるような事を利用者が考慮しておけば熱に関する問題は回避できると考えられます。
熱くなりにくい環境で使う
事務所や室内でのご利用であれば、人間が快適と感じる環境(温度)となりますので、PCにはそれほど大きい負荷は掛からないと考えますが、昨今のノマドワーカーといったかなり自由度の高いスタイルを持つ方の場合はそうとは言い切れない場合もあります。
強い日差しに晒されている状況等ではPCはかなりの温度となり、CPUから生じる熱も加えるとPCの性能に影響を与えかねない事もあるのではないかと考えます。
冷却ファンを取りつける
ノートPCは携帯性を考慮して設計されていますので、CPUの冷却用のファンをPC内部に取り付ける空間はほとんど無いと言えます。
空気の自然対流にてPC内部からの放熱を考慮するか、金属性の放熱板へ熱伝導させて冷却するかといった限られた方法しかないのでしょうか。
そんな悩みを解決する装置として、外付けする吸引型冷却ファンというものが販売されています。
ノートPCの横に設けられた放熱スリットにかぶせる形でファンを動かし、内部にある熱をもった空気を強制的に吸引する事で空気の対流を促す事で内部の温度を下げる効果が期待できるものです。
機器内部の空気は空間もあまり無いので空気が対流しにくい事を考慮した優れた製品ではないかと考えます。
ひんやり快適!おすすめしたい冷却台3選
ノートPC内部の熱をうまく外部へ逃がさせられればPC自体の性能を維持して長時間動作させる事が出来ますので、そういった環境を整える為のノートPC冷却台という製品も販売されています。
先にご説明しました吸引型ファンによる冷却も効果はありますが、あくまで空気が蓄熱できる範囲になりますので、放熱板への熱伝導を利用するといった場合には、冷却台を利用した方が効果的である事もあります。
ここではいくつかおすすめできる冷却台をご紹介させていただきます。
E-PRANCE(イープランス) ノートパソコン 冷却パッド
メタルメッシュに大型静音ファンを4つ配置した冷却台で、ノートPCの温度を数十分以内に15度前後下げる事が可能となっている様です。
また、取付確度調整が出来ますのでタイピングはし易いのではないでしょうか。
Nobelbird(ノーベルバード) ノートパソコン 冷却パッド
中央の大型静音ファンを囲むように配置された4つの静音ファンにより効果的にノートPCを冷却する事が可能です。
ファンの動作音が20dBに抑えられていますので、音を気にするような環境でも問題なく利用出来ます。
Foneso(フォネオ) 6超静音ファンクーラー
メタルメッシュパネルを介した6個の静音ファンによりノートPCを冷却します。
重量が軽く(851g)コンパクトな設計が特徴となる冷却台です。
まとめ
ノートPCでは避けられない熱をどうやって上手く逃がすかという点と放熱に関して利用できるツールのご紹介をさせていただきましたが、お役に立つ情報はありましたでしょうか。
ノートPCは持ち歩きが可能で自由度が高いという利点がありますが、内部的には電気を利用して動作している為に熱の発生は避ける事が出来ません。
可能な限り内部に熱が蓄積する様な使い方は避けていただき、本記事でご紹介した冷却ツール等もご利用いただければと考えます。
スポンサーリンク