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Mac向けInkscapeの使い方と特徴

個人でブログをしていたり、仕事で会社の資料を作る時に、「こんな感じのイラストを入れたい」「格好いいロゴを作成したい」「わかり易い表や地図をつけたい」と思うことが多いのではないでしょうか。

「コンピュータで絵が上手く描けない」「そういうことは専門業社にお金を払って作成してもらわないと無理」と思っている方はぜひInkspaceを使ってみましょう。

最近では、Inkspaceを使った印刷物やWEBコンテンツが増えていて、Adobe社のIllustratorを長年愛用している人も気になっていることでしょう。

どんなことができるのか、インストールの方法、使用するメリットなど、MacユーザーがInkspaceを使用する方法や特徴を説明します。

なお、ここではMac OS X10.12.1 Sierra環境に、XQuartz 2.7.11、Inkscape0.91のバージョンをインストールします。

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1.Inkscapeとは

Inkspaceとは、オリジナルのイラストやロゴなどが作成できるソフトウェアで無料でダウンロードできます。

絵を描くのが苦手な人でも、複雑な図形でも、簡単に作成することができます。

GIMPやPhotoshopなどのペイント系アプリケーションやフォトレタッチソフトウェアは、点で画像を描画するので、画像を拡大した時に画質が粗くなってしまいますが、Inkspaceはベクトル画像で数値計算によって線で画像を描画するドロー系のアプリケーションなので、拡大や縮小に強く、元のサイズのクオリティーと変わらないのが特徴です。

テキストも入れることができるので、ホームページのタイトルやアイコン、地図、チラシ、パンフレットやカタログなどの作成にも適しています。

作成した画像はSVGファイルとして保存されますが、PNGやPDFに書き出すこともでき、JPEG、TIFFなども編集が可能です。

2003年にリリースされて以来、現在も開発が続いていて、バージョンアップごとに新機能が追加されています。

使いやすく世界中で利用者が増え続けていて、Inkscapeで作成されたWebコンテンツや印刷物を目にする機会はたくさんあります。

1.Mac向けとWindows向けのinkscapeの違い

Mac向けのInkscapeとWindows向けのinkscapeとでは以下のような違いがあります。

①ダウンロードしたファイルの形式、インストール方法

・Windows用
ダウンロードしたファイル形式はmsi、exeファイル(インストーラ形式)またはzipファイル(圧縮ファイル)
msiファイルはWindows Installerがインストール済みの環境で動作する
zipファイルは解凍したあと、中にインストーラのexeファイルが入っている
exeファイルをダブルクリックして実行するとインストールが始まる

・Mac OS X用
ダウンロードしたファイル形式はdmgファイル(DMG形式のパッケージ)
Mac版はInkscape単体では動作せず、X Window Systemのソフト(XQuartz)が必要
dmgファイルをダブルクリックしてInkscapeアプリケーションをアプリケーションフォルダに移動する

②Mac OX X固有の問題がある

標準キーボードの違いやOSの違いから、Macでは操作できなかったり、設定を変更しなければいけないことがあります。
例えば以下のような事項があります。

  1. 日本語化の設定
  2. AltキーとOptionキーの操作
  3. ControlキーとCommandキーの操作
  4. コピーペーストの動作
  5. Appleのセキュリティ機能による起動制御
  6. XQuartzによる表示

2.inkscapeでできることとできないこと

Inkscapeには以下のような機能があります。

①図形の作成

  1. 鉛筆ツールによるフリーハンドの描画
  2. ペンツールによる曲線や直線の描画
  3. カリグラフィツールによるフリーハンドのカリグラフで描いたような線の描画
  4. 長方形(角を丸くすることもできる)
  5. 円・弧・星形などの多角形・ 渦巻きの描画
  6. 3Dボックス
  7. テキストの使用(複数行が可能)
  8. ビットマップの埋め込み
  9. クローン作成・タイルクローン作成

②図形の操作

  1. 変形(移動、拡大縮小、回転、ねじり)数値の指定でもドラッグでの操作でも可能
  2. Z順操作
  3. オブジェクトのグループ化
  4. レイヤーの使用
  5. オブジェクトのコピー、ペースト
  6. 消しゴムツール
  7. フィルタ

③塗りつぶしと線、色選択

  1. 色選択ツール(RGB、HSV、カラーホイールが可能)
  2. スタイルのコピー、ペースト
  3. グラデーション
  4. パターンでの塗りつぶし
  5. 点線(たくさんの種類がある)
  6. パス作成(矢印線など)
  7. スプレーツール
  8. バケツツール

④パスの操作

  1. ノードの編集(ノード移動、ベジェハンドル、ノードの結合/分割など)
  2. パスへの変換(テキストオブジェクトを図形に変換)、線からパスへの変換
  3. ブール演算
  4. しきい値によるパスの簡素化
  5. パスのインセット/アウトセット
  6. ビットマップトレース

⑤テキストのサポート

  1. 複数行テキスト
  2. インストールされたすべてのフォントが利用可能
  3. カーニング、文字間、行間の調節
  4. パス上のテキスト(テキスト、パスとも編集可能)

⑥レンダリング

  1. アンチエイリアス表示
  2. 透過をサポート(表示およびPNG出力)
  3. インタラクティブ操作時には、ドラッグしたとおりに変形の編集

⑦その他

  1. JPEGやTIFFの編集が可能
  2. PNG、PDFやPostScriptなどへの出力
  3. 出力と変換に関するコマンドラインオプション
  4. SVGファイルの作成と編集

Inkscapeでできないことには以下のようなものがあります。

①ビットマップはPNGでしか保存できない

JPEGやTIFFは編集することはできるがビットマップで保存するにはPNGでしかできない

②類似製品のAdobe Illustratorでできる機能がInkscapeにはない場合がある

  1. グラデーションメッシュができない
  2. 一つのオブジェクトに対してストローク(線)やフィル(塗りつぶし)が複数できない
  3. ICCプロファイルなどの印刷用カラーマネージメントが対応していない
  4. PMSカラー(パントン色見本帳)に対応していない
  5. データに基づくグラフの処理ができない
  6. 自由変形と遠近法変形がエクステンションだけでできない
  7. ブレンドがエクステンションだけでできない

3,inkscapeと類似製品との比較

ドロー系ソフトの定番といえばAdobe Illustratorです。
多機能で使いやすく愛用者も多いアプリケーションですが、唯一の欠点は有料で高価なことです。

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Inkscapeは無料なので、気軽に試すことができます。
使い勝手も慣れてくればさほど不満ではないので、これから新しく使うには無料であるInkspaceをまずは試してみるのが良いでしょう。

2.XQuartzとInkscapeをインストール

Mac版のInkscapeはそのままでは動かないので、XQuartzというX Window Systemソフトが必要です。

XQuartzがインストールされていれば、Inkscapeをダウンロードして、dmgファイルをダブルクリック、inkscapeアプリケーションをアプリケーションフォルダの移動してインストールします。

1.Mac向けは別途XQuartzが必要

MacはUnixというOSがベースになっていて、Unixは基本的にターミナル内にコマンドを入力して動くCUI(キャラクターユーザーインターフェース)を使用しています。

アイコンやウィンドウを表示させてマウスで操作するような視覚的に操作がしやすいGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を使用していないため、X Window Systemというソフトを使ってこのGUIを使えるようにする必要があります。

以前Mac OS Xに紐つけられていたX11というX Window Systemソフトは、特定のOSのバージョンでは不具合があったため、最近は標準でインストールされなくなったので、X11の新しいバージョンであるXQuartzをインストールする必要があります。

アプリケーションフォルダーのユーティリティの中にX11が既にインストールされている場合でも、XQuartzにアップデートしてください。

2.公式サイトからダウンロード

下記の公式サイト(英語)からXQuartzをダウンロードします。
XQuartz Home

①Downloadと書いてある下のdmgファイルをクリック

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②ダウンロードファイルの中にあるXQuartzのdmgファイルをダブルクリック

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③XQuartz.pkgというパッケージファイルが表示されるのでダブルクリック

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④XQuartzインストーラの指示に従ってインストールを実行

・「はじめに」の画面で「続ける」をクリック

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・「大切な情報」の画面で「続ける」をクリック

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・「使用許諾契約」の画面で「続ける」をクリック

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・条件に同意するかを尋ねられるので「同意する」をクリック

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・「Macintosh HDに標準インストール」の画面で「インストール」をクリック

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・パスワードの入力を求められるので、パスワードを入力し「ソフトウェアをインストール」をクリック

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・ユーザーのログアウト、再ログインのメッセージが表示されるので「OK」をクリック

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・「インストールが完了しました」の画面で「閉じる」をクリック

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・Macを一旦ログアウトして再ログインしなおす

3.公式サイトから「Mac OS 版」Inkscapeをダウンロード

下記の公式サイトからInkscape Mac OS X版をダウンロードします。
INKSCAPE

①Mac OS X 10.7以降の場合は緑の矢印のついたアイコンをクリック、OS X10.6以前の場合は2行目のdmgファイルをクリック

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②ダウンロードファイルの中にあるInkscapeのdmgファイルをダブルクリック

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③開いた画面で、右のInkscape.appのアイコンをドラッグして左のアプリケーションフォルダのアイコンにドロップして移動する

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④インストールが完了、Inkscapeがアプリケーションフォルダに格納される

4.起動してみる

①アプリケーションフォルダーの中のInkscapeをダブルクリック

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②Macのセキュティ設定によっては、「開発元が未確認のため開けません」のメッセージが表示される場合があり、「OK」をクリック

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この場合、アプリケーションフォルダのInkscapeのアイコンを右クリック、「開く」をクリック

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③「開発元は未確認です。開いてもよろしいですか?」のメッセージが表示されるので、「開く」をクリック

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④英語で以下のような内容のメッセージが表示される場合があり、「OK」をクリック
“Inkscapeを開いている間は、X11アプリケーションによって表示、非表示が行われる。このバージョンのInkscapeを最初に使う時は、フォントのキャッシュを構築する間メイン画面が開くまでにしばらく時間がかかることがある。”

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5.Macを再ログイン、再起動して起動、XQuartzで表示

XQuartzをインストールした後、Macのログアウト、再ログインをしていない場合はInkscapeが起動しないため、一旦ログアウトしてログインしなおして、上記①の手順からやり直してください。

場合によっては、Macを再起動しないとInkscapeが起動しない場合があるので、そのような時はMacを再起動してから、上記①の手順からやり直してください。Inkscapeを起動すると自動で同時にXQuartzが起動します。

3.Mac向けinkscapeの日本語化

インストールして起動させた後は、英語環境になっているので、日本語化を設定します。本来、inkscapeには簡単に言語設定が変えられる機能が備わっていますが、不具合が発生することが多いので以下の方法で設定してください。

①フォルダーを開き、アプリケーションの中のInkscapeを右クリック

②「パッケージの内容を表示」をクリック

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③表示されたContentsフォルダを開く

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④Resourcesフォルダを開く

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⑤binフォルダを開く

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⑥Inkscapeを右クリックし「このアプリケーションで開く」をクリック「その他」を選ぶ

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⑦「アプリケーションを選択」の中からテキストエディターを選んで「開く」をクリック

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⑧開いた画面をスクロールし、152行目(下から20行目)辺りに次の一文を付け足す

export LANG=ja_JP.UTF-8
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⑨テキストエディタを閉じて、Inkscapeを起動すると日本語表示になっている

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1.Inkscape内のPreferencesからjapanese(ja)を選択

上記で説明した通り、この方法では設定変更後、Inkscapeが起動しなくなる問題が発生します。
そのため、この方法での日本語化はおすすめしませんが、将来的に改善される可能性もあるので、念のため手順を記しておきます。

①Inkscapeの画面上部のEditをクリック

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②Preferencesをクリック

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③Interfaceをクリック

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④右側のLanguageからJapaneseを選択

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4.Mac向けinkscapeが起動しない場合には

MacにインストールしたInkscapeが起動しない場合、以下のような原因が考えられます。

①Macのセキュリティーの制御

システム環境設定のセキュリティーとプライバシーから設定を変更できますが、それをすると今後ダウンロードする他のファイルにも適応されるので危険があります。

Inkscapeのみのセキュリティーを解除して起動させるためには、上の章の「起動してみる」②にて記している通り、アプリケーションフォルダのInkscapeのアイコンを右クリック、「開く」をクリックすると起動できます。

②MacのOSバージョンが10.5 Leopardの場合

初回の起動時のみ、アプリケーションフォルダ→Contentsフォルダ→Resourcesフォルダを開き、その中のopenDocというファイルをダブルクリックするとターミナルが起動し、同時にInkscapeも起動します。
次回からは普通にInkscapeが起動するようになります。

③MacのOSバージョンが10.10 Yosemiteの場合

インストール後、最初から起動しないことがあります。
この場合は、上記の章「Mac向けinkscapeの日本語化」のテキストエディタで一文を追加する方法で、Inkspaceを起動させることができます。

④InkscapeのPreferencesから日本語化の設定後

設定変更した後、Inkscapeが内部エラーで起動しなくなる問題が頻繁に起こっています。

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このエラーが発生した場合は、上記の章「Mac向けinkscapeの日本語化」のテキストエディタで一文を追加する方法でエラーを回避、Inkspaceを起動させることができます。

⑤XQuartzがインストールされていない

XQuartzがインストールされていないとInkscapeは起動できません。X11が既に入っているMacでも新たにXQuartzをインストールしてください。

⑥Macの再ログイン、再起動

XQuartzをインストール後、ログアウト、再ログイン、または再起動をしていないとInkscapeは起動しません。
再ログインもしくは再起動をしてからInkscapeを起動するとXQuartzとともに起動します。

まとめ

仕事や趣味のブログなどでイラストやロゴなどを自分で簡単に作れるソフトがInkspaceです。無料でダウンロードできるのでこれからはじめる方におすすめです。

Mac向けはWindows向けとはインストール方法や使い方が少し違う上に、日本語化の設定が少し複雑ですが最初だけですので注意して行ってください。MacでInkspaceを使いこなして思い通りの画像作成を楽しんでくださいね。


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