iPhoneではそこにあるデータを直接プリンターから出力することができます。
これまでのデバイスですと、プリンタにつながっているデバイスのストレージへデータを転送してうえで出力、といった形をとらなければなりませんでしたが、iPhoneではそれらの手間をかけずに済む仕組みが用意されています。
各メーカーもその仕組みに対応するプリンターを相次いで販売しているほか、コンビニでも店内の複合機を利用したサービスを展開しています。
今回はこの簡単かつ安価なiPhoneデータ出力法の数々と対応機器について解説していきます。
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iPhoneからプリンターへ直印刷可能な「AirPrint」がすごい
「AirPrint」はiOS4.2以降から利用できるようになった仕組みです。
この仕組みの特徴は、特別なアプリを利用することなしにiPhoneから直接プリンターに出力できるというものです。
ガラケー時代を含め、これまでは携帯の中身を出力するためには、SDカードなどのメディアを利用したり、一度別のデバイスにデータを落としてたり、といったことをしなければなりませんでした。
しかし、AirPrintの登場により、それらを一気に飛ばしてプリントできる道が開かれました。
これはiPhone独自の仕組みであり、Androidで同様のことを行う場合には別途アプリをインストールする手間がかかります。
それでは、AirPrintについて、その使い方と注意事項をみていきましょう。
AirPrintで印刷するには?
AirPrintで印刷するには基本的に
①AirPrint対応プリンター
が必要です。
AirPrintでの印刷では、Wi-Fiで直接プリンターから印刷、もしくはネットワーク接続されたプリンターに対して無線LANを通して印刷、という方法をとります。対応プリンターであればどちらでも印刷することができます。
それと印刷しようとするデータが
②印刷対応のアプリ
で開かれていることが必要です。
SafariやGoogle(Web)、メールやGmail、メモ(ドキュメント)、写真といった主要アプリは印刷対応になっていますが、アプリによっては対応していないものもあるので注意しましょう。
プリンターと接続する
それでは実際に印刷するまでの手順を追っていきましょう。まずは、「iPhoneとプリンターを接続する」ことが必要です。
iPhoneとプリンターを直接Wi-Fi接続する場合には、まずプリンター本体側でiPhoneとの接続のための無線LAN接続設定を行います。設定方法は各プリンターのマニュアルを参照してください。
設定を終えたら、iPhone本体で「設定」→「Wi-Fi」をオン→プリンター名(もしくはプリンター側で指定したID)をタップ。
これでiPhoneとプリンターがWi-Fiで直接つながりました。
既にプリンターがネットワークで接続されている場合は以下の手順で進めていきます。
印刷したい内容を対応アプリで開きます。写真を印刷したいなら写真、webならSafariやGoogleでそのページを開きます。
印刷したい内容を画面に表示させたら、「アクション」アイコン(写真左赤丸)をタップします。
アプリによっては「…」をタップして別メニューを表示させてから、というものもあります(写真はDropboxの場合)。
一番下の段を左にスワイプさせると「プリント」のアイコンが出てきます。これをタップします。
オプション画面が表示されたら「プリンターを選択」をタップします。
AirPrint対応プリンター名が表示されますので、タップします。複数ある場合は、印刷するプリンターを選んでタップします。
オプション画面にプリンター名が表示されれば接続は完了です。
なお、対応プリンターでない場合には「AirPrintプリンタが見つかりません」と表示されます。その場合は各プリンターメーカーやフリーのアプリを利用することになります。
次ページ:印刷するには
印刷するには
印刷したい内容を対応アプリで開き、アクションアイコンをタップ。
直接Wi-Fi接続であれば、既にプリンター名が表示されていますので、そのまま右上の「プリント」をタップします。
ネットワーク接続の場合には、前述の手順を踏んで、オプション画面に対応プリンター名が表示されたら右上の「プリント」をタップします。
AirPrintの注意点
非常に便利なAirPrintですが、注意すべき点もあります。
それは「詳細な印刷設定ができない」ということです。
プリンターへ印刷指示を出した場合、印刷する紙の大きさや印刷精度など選択できるのが普通ですが、AirPrintの場合
①サイズは、写真や画像は、L版サイズ(127×89mm)、ドキュメントはA4サイズのみ
②印刷精度については、インクジェット用紙対応設定のみ
となっています。
画像ファイルをA4で印刷したい、インキの節約のため普通紙モードで印刷したい、といった場合には別方法、ということになります。
AirPrintを補完~各プリンターのアプリを利用~
AirPrintでできないような設定については、各プリンターメーカーが公開しているアプリを利用することで可能となる場合があります。
主なものとしては
エプソン EPSON iPrint
キヤノン Canon PRINT Inkjet
Brother Brother iPrint&Scan
などがあります。
それぞれのメーカーのプリンターのみに対応で、各アプリにより機能に差異はありますが、用紙設定以外の詳細な設定ができるようになります。
アプリによってはインク残量の確認や複合機の場合はスキャンしたデータをiPhoneに転送する、といったことも可能です。
各プリンターメーカーのサイトからダウンロードできますので、確認してみてはいかがでしょうか。
AirPrint対応!おすすめしたいプリンター5選
今や多くの機種がAirPrintに対応していますが、その中からおすすめのプリンターをご紹介します。
AirPrint対応に加え専用アプリも備えているので、より細かな印刷設定が可能です。
EPSON カラリオ EP-880A
価格:オープンプライス(Amazon価格:12,693円~)
6色インキで写真・文字の高画質印刷が可能、コピー及びスキャナーも搭載したインクジェット複合機。ボディはニュートラルベージュ・黒・白・赤の4色のバリエーション。
L版からA4までのサイズの用紙に対応しており、上下2段のトレイに加え手差しの背面給紙の3way給紙で、用紙の入れ替えの手間を大幅に削減しています。
無線LAN、Wi-Fiに対応。AirPrintのほか、EPSONオリジナルアプリ・EPSON iPrintでの印刷が可能です。
Canon PIXUS TS8130
価格:オープンプライス(Amazon価格:15,444円~)
6色独立型インクタンクを備えたインクジェット複合機、グレーインクの採用で色の安定性が実現しました。
ボディは黒・白・赤の3色バリエーション。プリンターはA4サイズまで対応しています。
無線LAN、Wi-Fiに対応。AirPrintのほか、Canonオリジナルアプリ・Canon PRINT Inkjetが利用できます。
また、新アプリ「Message in Print」を利用すると、写真にメッセージを埋め込んで印刷することができるようになります。
Brother PRIVIO DCPーJ983N
価格:オープンプライス(Amazon価格:20,809円~)
従来機種に比べ、ブラックで約6倍、カラー約2.5倍という「大容量インクカートリッジ」搭載のインクジェット複合機。
コストパフォーマンスの良さが特徴の機種となっています。ボディカラーは黒・白の2種類。
無線LANに対応。AirPrintのほか、Brotherオリジナルアプリ・iPrint&Scanでの印刷が可能となっています。
HP ENVY 5020
価格:11,800円(ダイレクト価格/Amazon価格:7,387円~)
黒・カラー3色一体型インクシステムを採用したインクジェット複合機。
求めやすい本体価格でも基本的な機能はほどなく網羅しており、安定した印刷が可能となっています。
無線LAN、Wi-Fiに対応。AirPrintのほかに、HPオリジナルアプリ・HP ePrintでの印刷が可能となっています。
Canon SELPHY CP1300
価格:オープンプライス(Amazon価格:11,019円~)
Lサイズやポストカードだけでなく、カードサイズやシール用紙にも印刷できるフォトプリンター。
コンパクトなサイズで、別売りバッテリーを利用することで場所を選ばずに使えます。ボディカラーは白とピンクの2種類。
無線LAN、Wi-Fiに対応。AirPrintのほかに、Canon PRINT Inkjet/SELPHYでの印刷が可能となっています。
次ページ:コンビニプリンターに直接挿せるiPhone対応USBとは
コンビニプリンターに直接挿せるiPhone対応USBとは
ここまでAirPrintを用いてiPhoneから直接印刷する方法についてご紹介してきましたが、「今使っているプリンターが旧式で無線LAN対応していない」「そもそもプリンターを持っていない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方でもiPhoneのデータを印刷することができる方法、それは「コンビニプリンター」を利用する、です。
コンビニ各社で仕様に違いはありますが、コピーやFAX、チケット発行機能などを併せ持った複合プリンターはどの店舗にも設置されています。
その複合プリンターにUSBメモリを挿して出力する方法であれば、どのコンビニのどの店舗でも確実に印刷することができます。
AirPrintに対応する複合プリンターの機種も出ていますが、全てのコンビニにあるというわけではないので、こちらの方がより確実といえるでしょう。
iPhoneのデータを持ち込むためには「Lightning対応USBメモリー」を使います。
これはiPhone5以降標準となった「Lightning」方式のプラグと通常のUSB方式のプラグ双方がついたメモリーで、データバックアップやiPhoneへのデータ移動にも利用されています。
容量は?
16GBから128GBまでの容量が用意されています。容量が大きければ大きいほど価格も高くなってきます。
ドキュメントの印刷がメインであれば16GBで十分ですが、写真・画像がメインであれば最低でも32GBは欲しいところです。
規格による転送速度の違い
USB方式のプラグは見た目同じですが、規格の違いによりデータ転送速度が大きく違ってきます。
最新の規格は「USB3.1」となっており、機器側が対応していることが前提ですが、USB3.0の2倍の速度も可能となっています。
「3.0」自体も前規格である「2.0」に比べると10倍の転送速度となっていますので、「3.1」がどれだけ能力アップしたかがわかると思います。2015年3月発売のMacbookが初めて搭載して以来徐々に普及してきています。
容量と同様に、新しい規格の方が価格が上となります。
MFi認証とは?
Apple社独自の認証システムである「MFi認証」を受けている製品かどうかも製品を選ぶうえで重要といえます。
「Made For iphone/iPad/iPod」の略で、iPhoneやiPad、iPodに適した製品であるというAppleのお墨付きと認識してもらえればよいでしょう。
この認証を得ていない製品も出回っていますが、信頼性という意味だけでなく、iOSのバージョンアップにより使えなくなるということも出てくることがありますので、できるだけ「MFi認証」の製品を選ぶようにしたいものです。
小さくて持ち運び便利!おすすめUSB3選
容量、規格、価格帯に至るまで多種多様な製品が販売されていますが、今回は厳選した3種類をご紹介します。
どれも「MFi認証」付、長く使えるものとなっています。印刷するデータや価格を比べて適切なものを選びましょう。
Leef iBRIDGE3
価格:5,743円~18,858円(Amazon価格)
容量:16・32・64・128GB
規格:USB3.1
「J字型」というユニークなデザインですが、iPhone接続時に邪魔にならない機能性も併せ持っています。
iPhone5以降に対応しており、専用アプリを使って写真やドキュメントを簡単に保存できるようになっています。
I-O DATA U3-IP2
価格:5,261円~20,353円(Amazon価格)
容量:16・32・64・128GB
規格:USB3.0
iPhone用のLightningだけでなくmicro-Bコネクターもついているので、Androidとのデータ共有を行うことも可能となっています。
専用のアプリでデータの移行や管理が簡単に行えるようになっています。
紛失しがちのキャップには、伸縮自在のバンドがついているので開け閉めしやすく使いやすくなっています。
HooToo HT-IM003
価格:5,899円~8,999円(Amazon価格)
容量:64・128GB
規格:USB3.0
4mm長くつくられたLightningコネクタが特徴で、ケースをつけたまま接続できるようになっています。
大容量データ対応ですが、比較的求めやすい価格となっています。
まとめ
今回はiPhoneのデータをより簡単に印刷する手段として「AirPrint」と「USB」の利用をご紹介しました。まとめると以下のようになります。
①iPhoneからプリンターへ直接データを送れる「AirPrint」、Androidの場合は別途アプリが必要。
②写真はLサイズのみ、ドキュメントはA4のみとなるので、より詳細な印刷をしたい場合には各プリンターメーカーのアプリを利用する。
③コンビニプリンター利用では、Lightningコネクター付きのiPhone用USBが便利。
特に大きな手間がかかるものではないので、まだ行ったことがないユーザーの方は試してみてはいかがでしょうか。
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