iPhoneを使っていて「アプリの起動に時間がかかる」「動作が重くなってきた」「突然落ちる…」といった経験をしたことはありませんか?
iOS11登場以降、iPhone6s以前の機種を使っているユーザーを中心に「重い・遅い」という声が多く聞かれるようになっています。
iPhoneも長いこと利用していると動作が徐々に重たくなることは以前から知られていましたが、より顕著に現象が現れているようにも思えます。
一体なぜこのようなことが起きているのか?またそれに対する対処法はないのか?と思われる方も多いはずです。
そこで今回は「iPhoneを快適に利用するために行うべき対策」について解説していきます。本記事を読んで、あなたのiPhoneも快適に動作できるように改善しましょう!
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なぜ重い?iPhoneが重くなる原因はコレだった
長いこと利用しているとアプリの動作が重くなる、OSの起動が遅くなる、というのはPCもiPhoneも同様です。
iPhone自体は携帯電話の進化系(スマートフォン)という括りで語られますが、実際のところ、構造的にも機能的にも「小さなPC」といっても過言ではありません。
これまでは「電話」の延長線上でみられていたために目立っていなかっただけなのかもしれません。
「iPhoneが重く、遅くなっている」という現象が起きている原因もこの観点から大体の推測をすることができ、そして以下に挙げるどれかが引き金となっていると考えられます。
アプリの複数同時起動で「メモリ」がいっぱいに
複数のアプリを同時に起動させていくと、その数が多くなればなるほど動作は重くなっていきます。PCにおいてウィンドウをたくさん開けば開くほど動作が重くなるのと同じです。
PCの場合はモニタ上で複数のウィンドウが開いていることが確認しやすいですが、画面が小さいiPhoneではそれを実感しにくいことも多くあります。
アプリは終了させなければ起動状態のものがどんどん増えていきます。
そうすることで何が起きてくるかというと、それらのデータを一時的に記憶させておく作業領域、すなわち「メモリ」がいっぱいになっていきます。メモリが少なくなってくると、当然ながら動作は重くなっていきます。
ダウンロードしたアプリが多すぎる
メモリが作業領域であるのに対して、ストレージはデータ保存しておく場所になります。メモリが机の上に例えられるのに対して、ストレージは引き出しなどに例えられます。
ダウンロードしたアプリが増えれば増えるほど引き出しはいっぱいになって、引き出しからデータを出しづらくなっていきます。そうなればメモリ不足の状況と同じように、iPhoneの動作が重くなっていきます。
「キャッシュの蓄積」によるストレージの圧迫
ブラウザやアプリ上に一時保管されている画像やデザイン情報のことを「キャッシュ」といいます。このキャッシュのおかげで、web閲覧がしやすくなっています。
一度閲覧したページのデータはキャッシュとして保管されていて、次回同じページを閲覧したときにはキャッシュがあるため読み込み時間はその分短縮されます。
キャッシュは削除しなければどんどん蓄積されていき、その分ストレージが圧迫され動作が遅くなる原因となっていきます。
バッテリーの劣化とiOSの仕様変更
iPhoneに搭載されているバッテリーは使えば使うほど劣化していきます。
バッテリーは消耗品ともいえるのでそれは仕方ないのですが、劣化がある程度進むとiPhoneが急にシャットダウンするようなことが発生します。特にiPhone6s以下の機種において顕著に表れているということが多くのユーザーの証言により明らかになっています。
製造元のAppleも2017年12月に発表した謝罪メッセージの中でその現象が発生する可能性を認めています。この現象への対応として、Appleが行ったのがiPhone6s以下におけるiOS仕様変更でした。
しかしそれを行った結果、iPhoneの動作が遅く、重くなることになってしまいました。この場合、Appleからの対応を待つ他はないのかもしれません。
次ページ:動作が遅い時こそ見直したいポイント5つ【アプリ編】
動作が遅い時こそ見直したいポイント5つ【アプリ編】
ここからは動作が遅い時の対処法をご紹介していきます。まずは「アプリ」にまつわる対処法からです。
使っていないアプリは完全に終了させる
iPhoneのホームボタンを押すとアプリを終えられると錯覚していませんか?この動作はアプリを終了させているのではなく、ただ「非表示」にしているだけなのです。
終了させなければ動いているアプリがドンドン増えていき、それだけメモリが少なくなっていきます。
ホームボタンを2回押すと、起動中のアプリがずらっと出てくるので、使っていないアプリは上にスワイプしましょう。そうすることで、アプリを完全に終了させることが可能です。
必要ないアプリを削除する
アプリをどんどんダウンロードするとiPhoneのストレージ容量が減っていきます。
数多くダウンロードしたアプリの中には、長い間使用しないままになっているものや利用できなくなったものがあるかもしれません。それらを削除することでストレージの空き容量を増やすことができます。
iPhoneのホーム画面にあるアプリを長押しすると、画面に表示されているアイコンの左上に×印が表示されます。この「×」をタップすればアプリが削除できます。
ブラウザのキャッシュを削除する
Webの閲覧を行っていくことでキャッシュがたまり、それが動作の重さにつながっていくことは前述したとおりです。
多くのiPhoneユーザーはデフォルトの「Safari」もしくは「Google Chrome」を利用していると思いますが、これらブラウザのキャッシュを削除することでパフォーマンスの改善につながることがあります。
以下に、Safariの場合とGoogle Chromeの場合のキャッシュの削除手順をご紹介します。
【Safariの場合】
「設定」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」→「履歴とデータ消去」
【Google Chromeの場合】
①右上のメニューをタップ→「履歴」→ログインしているサイトの一覧→「編集」→削除したいサイトを選択
もしくは
②右上のメニューをタップ→「履歴」→ログインしているサイトの一覧→「閲覧履歴を消去」→「閲覧履歴」をチェック
アプリのアップデート
アプリ自体に不具合があって動作が重くなることもあります。そのような場合はアプリのアップデートによりその不具合が解消され、パフォーマンスが改善することがあります。
以下に、その手順をご紹介します。
「設定」→「iTunes&App Store」→「アップデート ON」となっていれば自動でアップデートされます。
もしくはApp Store右下の「アップデート」をタップ→対象となるアプリをタップでアップデートしたいアプリだけを選択することができます。
アプリの再インストール
アプリ内に余分なデータがたまってしまい、それで動作が遅くなってしまうこともあります。その際にはアプリをいったん削除し、再度インストールし直すとパフォーマンスが改善することが多いです。
アプリの削除の仕方は【必要ないアプリを削除する】でご説明した通りで、再インストールについてはApp Store右下の「アップデート」をタップしていくことで再度行うことができます。
この方法には注意すべき点があり、データがクラウド上に保存されるFacebookやTwitterなどは問題ありませんが、LINEなどのようにiPhone本体にデータを保存するアプリの場合にはデータが消失してしまいます。
このようなiPhone本体にデータを保存するタイプのアプリの対応策としては、そのアプリ内に「データのバックアップを取る」という機能があるはずなので、再インストールする前に必ずデータのバックアップを取っておきましょう。
また、Safariなどのように削除できないアプリもあるので、それらについてはキャッシュの削除などで対応することになります。
次ページ:動作が遅い時こそ見直したいポイント4つ【iPhone本体編】
動作が遅い時こそ見直したいポイント4つ【iPhone本体編】
ここではiPhone本体を操作して対応する方法をご紹介します。特にアプリ側での対応でも改善しない場合に試してみるようなものが中心となりますので、ぜひ参考に見てみてください。
容量を空ける「メモリ解放」
アプリ単位でキャッシュ削除を行っても動きが改善しない場合など、不要メモリを解消して容量を空ける「メモリの解放」をするとパフォーマンス改善することがあります。
本体右上のスリープボタンを長押しし「スライド電源オフ」が表示させます。表示したらスリープボタンから「ホームボタン」に指を移し、ボタンを長押しします。ホーム画面に戻ったらメモリ解放が完了となります。
iPhoneを再起動してみる
iPhoneの動作に関わる不具合において、本体側で試してもらいたいのは「再起動」です。おおよそこれを行うことで改善することが多いといわれます。
本体右上のスリープボタンを長押しすると「スライドで電源オフ」が表示されます。スライドすると電源が切れますので、しばらくしたら再度スリープボタンを長押しします。
「スリープボタンとホームボタンを同時長押しする(強制終了)」というのもありますが、何かしらかの障害を起こすこともあるのであまりお勧めできません。
3,200円でバッテリーを交換してもらう
前述したとおり、バッテリーの劣化によって動作が遅くなるということをAppleが認めています。逆にいえばバッテリーの交換によってパフォーマンスが改善することもあるわけです。
AppleではiPhone6s以下の動作改善のために3,200円でバッテリー交換を行う旨をアナウンスしています(2018年12月まで)。
初期化する
これまでご紹介してきた方法でも改善しない場合に試してもらいたいのが「初期化」です。初期化をすることで、ほとんどの不具合が改善されることが期待できます。
手順は以下のようになります。
①PCとiPhoneをケーブルで接続
iTunesが起動してiPhoneデータのバックアップが行われます。
②iPhoneをリセット
「設定」→「一般」→「リセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」→(パスコード入力)→「iPhoneを消去」をタップ
この手順を経ることで工場出荷状態に戻します。
③PCからiPhoneを復元する
iPhoneの電源を入れる→PCとiPhoneをケーブルで接続→「新しいiPhoneへようこそ」→「このバックアップから復元」をタップ→「続ける」
④iPhone復元完了、アプリ類をApp Storeから再度インストール
なお、CDから読み込んだ音楽などはPCのiTunesにバックアップしておかないと再現できないので注意が必要です。
知って得する厳選!メモリ解放アプリ2つ
iPhoneの動作が重い原因の一つとして、メモリが不足していることがあげられるのは前述したとおりです。
これを解消するためには不要メモリの解放が必要ですが、本体でそのための操作をする方法もありますが、それを行うためのアプリもリリースされています。
ここでは、メモリの開放を行ってくれるおすすめアプリを2つご紹介していきます。
手軽に使えて細かな設定不要「SySight」
作:Nobuo Saito
価格:120円
シンプルなユーザインタフェイスながら、バッテリーの残量からメモリの空き容量までの確認、そしてメモリ解放まで行えます。細かな設定は必要なく、手軽にメモリ解放ができることで人気となっています。
ワンタップ消去で操作もラクラク「節電バッテリーマニア – サクサク充電管理&メモリやシステムチェック -」
作:lin tongtong
価格:無料
シンプルな表示、簡単な操作でバッテリーの管理を行います。メモリやキャッシュの使用状況も確認でき、ワンタップで消去操作が行えるシンプルさが人気のアプリです。
まとめ
いかがでしたか?
スマートフォンといってもそれはPCの延長線みたいなものです。使えば使うほど動作が鈍くなりがちで、長く快適に使うためにはそれなりにメンテナンスをすることが必要になってきます。
今回ご紹介した方法はパフォーマンスの回復・維持に必要なものばかりです。
もし、ご紹介した方法全てを試してみても改善しない場合は、iPhoneの「故障」を疑ってみてください。キャリア経由で相談したり、Appleに持ち込んだりすることも検討してみましょう。
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