iPhoneでExcelファイル(スプレッドシート)が「見れる」ことくらいは、筆者でも知っていました。そして、相変わらず「見るだけ」なのかとついさっきまで思っていました…。
ところがいつのまにやら、iPhoneでExcelの編集が可能となっているではありませんか!いつからなんでしょうか?恥ずかしながら全然知りませんでした…
ここでは、iPhoneでExcelを閲覧編集できるアプリと、有料版との違いについて紹介します。結論から言うと、無料版でも全然使えますし、パソコンとのファイル共有やメールのやり取りも実に簡単です。
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iPhoneのExcelアプリの機能
無料版でできること
Excelのほとんどの機能が無料で使えます。ただし、アカウントを取得してログインしないと閲覧だけで、一切の編集ができませんのでご注意ください。
【無料版でできること】
- xlsxファイル作成・保存
- セルの編集や書式設定
- 行・列の操作、並べ替え
- ワークシート追加・削除
- 関数やオートフィルの使用
- 罫線の設定、セルへのコメント
- 図形やテキストボックスの挿入
といった具合で、できないことのほうが少ないです。皆さんが普段Excelでやってること、ほとんどできると考えて差し支えありません。
有料版でできること
有料版限定の機能は数えるほどしかありません。
【有料版にしかできないこと】
- ワードアート挿入および編集
- グラフ要素追加・編集
- 塗りつぶし色などの調色
といったところです。Excelの基本的な機能を妨げるようなものはとりあえずありません。探せばまだまだ出てくるのかもしれませんが、無料でも一通り使えてしまうということは言えそうです。
iPhone版のExcelでできないこと
iPhone版Excelで(有料版でも)できないことは下記です。
- グラフの新規作成
- ピボットテーブルの新規作成
ただし、PC等で作成されすでに存在するグラフやピボットテーブルのスタイルや参照セル範囲の変更といった操作は可能です。
iPhoneで一からグラフを作るのは大変細かい作業になるので、その辺はPCに任せていいのでは…と考えると、これらの新規作成機能はなくても問題なさそうですね。
一からファイルを作成というよりは、出先で送られてきたデータを確認し、ちょっとだけ修正するというのが適切だと思います。
iPhoneでExcelファイルを編集できる無料アプリ
iPhoneでExcelを編集できる無料アプリは何種類かありますので、お好みや用途にあったものを使用するとよいかと思います(下記すべてをインストールする必要はないような気がします)。
公式Excelアプリ
上でも紹介したMicroSoft製「本家」です。パソコンのExcelとなんら変わりない見た目ですんなりと入れます。ここまでそっくり(本物だから当たり前なんですが)だと、iPhoneで触っていることに違和感さえ感じてしまいます。
操作についてもスマホならではの工夫が凝らされていて、とても使いやすくできています。
筆者はiPhoneSE(スクリーンサイズ4インチ)にインストールしたため少々見づらかったですが、7PulsやiPadなら画面が大きいので違和感は全くないと思います。
なお、ストレージ容量が多め(200MB程度)必要ですので、インストールの際は注意してください。
Googleスプレッドシート
少し使ってみましたが、MicroSoftの純正版とほとんど変わらない感じです。使い込んではいませんが、Web上ではこちらの使用頻度が高いかも知れません。
また、Google製なので他のGooleアプリとの相性や連携はよいです。保存時に.xlsx形式(MicrosoftのExcelファイル)に変換することも可能です。
Googleスプレッドシートの機能
Googleスプレッドシートを使うメリットはiPhone版でなくとも、他のユーザーと共同編集できる点です。いちいち保存したファイルを共有して新しいファイルに置き換える、というのは仕事の用途によっては煩わしいですよね。
Googleスプレッドシートなら、リアルタイムで自動保存してくれますし、同時に他ユーザーとの共同編集ができますので、とても便利ですね。
その他機能としては、
- 新しいスプレッドシートを作成したり、ウェブ上や別の端末で作成したスプレッドシートを編集したりできます
- 他のユーザーとスプレッドシートを共有して、1 つのスプレッドシートで同時に作業できます
- インターネットに接続できなくても、いつでも作業を継続できます
- セルの書式設定、データの入力と並べ替え、グラフの表示、数式の挿入、検索と置換など、さまざまな機能を利用できます
- 入力と同時に自動的に保存されるため、作業が失われる心配もありません
- 4 桁のパスコードでスプレッドシートを保護できます
- Excel ファイルを閲覧、編集、保存できます
App Storeプレビュー「Googleスプレッドシート」より引用
Googleスプレッドシートのここが便利
ちょっと「おおー!」と思ったので紹介します。Googleスプレッドインストール直後の初回起動で、以前WebやGmail経由で開けたGoogleスプレッドシートの一覧が、「最近開いたアイテム」として表示されました!
中には随分前のものもありますが、しっかり覚えてくれていました。ご覧のとおりです。さらに、.xlsxファイルも普通に選択候補として出てきています。

このアプリをインストールする前に閲覧したスプレッドシートもバッチリ表示されています。Google関係の連携がよくできていて便利ですね。
次ページ:Polaris Office
Polaris Office
上二つがスプレッドシート専用アプリなのに対し、こちらはオフィススイート(統合アプリ)となっています。スプレッドシートはもちろんのこと、文書作成やpowerpointデータなど、これ一つであらゆるオフィス系のデータ作成や修正ができます。
とはいえ、MicroSoft製のWordアプリやPowerpointアプリ、Goole製にしても同等のものを別途インストールできますので、統合環境欲しさにPolarisにこだわる必要はないと言えます。
Polaris Officeのここが便利
パソコンだとフォルダを自由に作成できるので階層を作ってファイルを管理しますね。iPhoneは基本的にこれができないのですが、Polaris Officeではフォルダを自由に作成できます。
トップ画面に「Inbox」というメニューからフォルダを自由に作成でき、さらに多階層化が可能です。
画面の一番右を見ると、”My Polaris/Drive/Inbox/階層1/階層2″となっており、Windowsのエクスプローラと同じ感覚でファイル管理ができることがわかります。ファイルが増えてくると便利さを実感できる機能と言えます。

Numbers
今のiPhoneやiPadには標準アプリとしてもともと、このNumbersがダウンロードされています。なかなかNumbersを利用している方を見かけたことはありませんが、簡単なものを作る場合はこのNumbersはとても簡単に作成できてしまいます。
その理由は、豊富なテンプレートにあります。
「どのグラフを選択すれば適切か?」「どの計算式を使うのが適切か?」豊富なテンプレートから近い用途のものを選び、入力データ部分を編集するだけで完成してしまうので表計算ソフトが不慣れな人にとても向いているアプリといえます。
たとえば、Excel初心者は表のグリッドの扱いになかなか慣れなかったり、とあると思いますが、Numbersはまっさらなページからスタートし、表グラフ・データを好きな場所に配置することができます。
他にも、以下のような特徴があります。
- 250以上の関数を利用可能
- スプレッドシートに描写・注釈など直接書き込みが可能
- 他の人と共同編集・同時編集が可能
- Excelファイルとの互換性あり
また、グラフィックデザインにも力を入れていて、表グラフなどが洗練されているのも特徴の一つです。
Apple社が直感的に操作ができることを大切にしている通り、このNumbersも機能に詳しくなくても、メニューや選択画面がアイコンや画像などにより直感的に選べる仕組みとなっています。
個人的には、iPhoneやiPadで元からあるファイルを編集、ではなくイチから作成したいならNumbersをお勧めします。
iPhone版Excelの基本操作
アカウント設定
先でも述べましたが、iPhone版Excelはアカウント登録してない状態ではファイルの閲覧のみで、新規作成や編集はできません。MicroSoftアカウントのほうが何かと便利かもしれません。お持ちでない方は以下アドレスからあらかじめ取得できます。
https://signup.live.com/signup.aspx?lic=1
Excelの初回起動画面から「アカウントの作成」を選んでも作成することができます。

なお、MicroSoftアカウント必須かと思っていたのですが筆者が試したところ、他のアドレス(AppleID)を使って登録できました。筆者が以前にAppleIDとMicroSoftアカウントの紐づけ設定をしていたからかも知れませんが、よく覚えていません(申し訳ありません)。
ひとまず、GmailやAppleID等の既存のメールアドレスで試してみて、ダメならMicroSoftアカウントを取得する流れでいいと思います。
ファイルの新規作成
トップ画面の下にアイコン群があります。ここの「新規」をタップすると新規Excelファイルを作成できます。

「最近の項目」の確認
「新規」の隣に「最近の項目」があります。ここをタップすると最近編集したファイル一覧が表示されます。パソコン版の「最近使用したファイル」と同等の機能と考えて差し支えありません。
ファイルが多くなるにつれ、便利さが増すアイコンです。

ファイルを開いて閲覧
ファイルを開く方法は2種類あります。
【「最近の項目」から開く】
上で述べた方法です。一覧より見たいファイルをタップすると開きます。

【「開く」アイコンからファイルを開く】
アイコン群の一番右に「開く」というアイコンがあります。ここをタップすると場所を選んで開くことができます。初期状態だと、下記4種類のメニューがあります。

- 【One Drive】:MicroSoft提供のストレージサービスです。アカウント登録が必要です。
- 【iPhone】:ExcelをインストールしているiPhone内です。以前に保存したExcelファイルがあれば、ファイル一覧が現れます。なければ何も出ません。
- 【場所の追加】:タップすると、各種ストレージサービスへのリンク一覧があります。DropBoxあたりが有名でしょうか。アカウント登録をすると使うことができます。
- 【その他】:一般的にはどうだかわからないのですが、筆者の場合はiCloud Drive(iCloud内のストレージ)が出てきました。iPhoneユーザーには手っ取り早いかも知れません。
次ページ:iPhoneとPCでExcelファイルを共有する方法
iPhoneとPCでExcelファイルを共有する方法
PCとiPhone間で、Excelファイルをメールでやり取りできます。また、オンラインのストレージサービスを使うとファイルの共有ができ、PCとiPhoneどちらからでも閲覧や編集ができて便利です。
出先で本格的な編集をしないのであれば、ノートパソコンを持ち歩かなくても大丈夫です。操作方法は、度のアプリと連携するかを選ぶだけで、そのほかはどれを選んでもほとんど同じです。
メール等でファイルを送付する
Excelファイルをメールに添付して送信できます。
【方法】
- Excelファイルを開いた状態で、上部メニューの一番右のアイコン(…)をタップします。
- 「コピーを送信」をタップします。
- メーラを選択する画面に移ります。ここでは、「別のアプリケーションで送信する」を選択します。
- (※)一番上の「書式」をタップすると、Excelのままで送信するか、PDFに変換するか選択できます。内容を変更されると困るようなファイルは、PDFに変換するとよいでしょう。
- 添付できるアプリ一覧が表示されますのでどれか一つ選んでタップします。メールアプリ以外にも、LINEなどにも乗せることができます。今回はメールアプリを選択します。
- あとの手順は通常のメール送信手順と同じです。Excelファイルが添付された状態でメールが送信されます。

DropBoxを利用する
メールで送信するのとほとんど同じ方法で、ExcelファイルをDropBox(別途インストール・設定が必要)にアップロードすることができます。複数ユーザとの共有フォルダにアップすれば、それだけでExcelファイルの共有完了です。
【方法】
上記メール添付の手順4.で「DropBoxに保存」を選択し、「保存」をタップすればファイルがアップロードされます。

GoogleDriveを利用する
GoogleDrive(別途インストール・設定が必要)についても、上記とほとんど同じ方法でExcelファイルをアップロードできます。
【方法】
上記メール添付の手順4.で「ドライブにコピー」を選択するだけです。

まとめ
iPhoneでExcelを編集できるアプリと有料版の違いについて紹介しました。筆者自身、「Excelファイルはパソコンで閲覧・編集するもんだ」という凝り固まった考えがありましたが、今回一新されました!便利な世の中になったものです。
スマホですのでさすがに本格的な編集は辛いですが、内容を確認して多少修正する程度でしたらなんの問題もなく使えます。
Excelファイルを編集できるiPhoneアプリは
- 公式Excelアプリ
- Gooleスプレッドシート
- Polaris Office
- Numbers
の4種類があります。用途に応じて使い分けるのも手ですが、元からあるファイルを編集するなら公式Excelアプリをおススメします。操作感はパソコンのExcelそのものですし、iPhoneで操作しやすいよう様々な工夫も凝らされています。
ビジネス用途などでパソコンとやり取りすることを考えても、互換性の面から公式Excelアプリが無難かと思います。
ただし、共有するには外部のストレージサービスが必要です。Excelファイルに限ったことではありまえせんが、情報漏えいなど起こらないとは限りません。
そのため、あまりにも重要なファイルのやり取りをする場合は、関係者と協議してからの方がよいかと思います。
また、改ざんされる恐れのある場合は(共有の意味合いが薄れてはくるものの)PDFに変換するなどの配慮も必要でしょう。幸い、公式ExcelアプリやPolarisOfficeは、PDF変換機能が備わっています。
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