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IBM Watsonを理解しよう!AIとの違いから利用場面まで徹底解説

AI(人工知能)が人々の生活をどう変えるのか?AIが人々の仕事を奪ってしまうのではないか?など、AIの進化に多くの人が注目し始め、AIに関係する報道が日本のメディアでも盛んになってきました。

そのAIの中でも現在注目されているのが、IBM Watsonです。IBMはAIが今日のような進化を遂げる以前から、このIBM Watsonの研究・開発を進めてきました。

この記事では、IBM Watsonの特徴や機能をご紹介します。

IBM Watsonを理解し、今後のAIの発達を予測しましょう!

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IBM Watsonとは?

IBMはAIを「Artificial Intelligence(人工知能)」とは定義していません。AIは「Augmented Intelligence (拡張知能)」と社内では考えられているらしいです。

そしてこの「Augmented Intelligence (拡張知能)」こそがIBMが開発を進めてきた「IBM Watson」です。その開発は、現在のAIが発達した歴史とは一線を画する流れで進められてきました。

IBM Watsonのシステムは「質疑応答・意思決定支援システム」と定義されています。

Watsonの歴史

Watsonが世間の注目を集めたのは2009年のことでした。当時IBMは自らが開発した質疑応答システムで、アメリカのテレビ局が放送するクイズ番組に出場する、と発表しました。

その後2011年にそのクイズ番組で人間とのクイズ対決が実現し、多くの人々の注目を集める結果となりました。

IBMはその後もWatsonの開発・発展を繰り返して現在のIBM Watsonを完成させました。

IBM Watsonは質問応答・意思決定支援システム

IBM Watsonは日本語で「質問応答・意思決定支援システム」と表されます。投げかけられた質問内容をWatsonが把握し、的確な答えを導き出す手助けをするシステムと考えて良いでしょう。

具体的に何が出来るの?

Watsonには自然に言語を処理する能力があります。この能力を利用して様々な文献・資料をインプットし、投げかけられた質問の答えとなり得る情報を導き出すことが可能です。

前述した2011年にアメリカで放送されたクイズ番組では、歴史、文学、科学など、様々なジャンルからの質問に対してその質問の意味を自然言語で理解し、その回答も自然言語で行うことに成功しています。

自然言語での質疑応答

コンピューターにとって、最も苦手とされるものは、人間の言語を理解し、人間の言語で回答することです。

しかしIBM Watsonはその自然言語処理システムが自慢の機能で、この機能を利用して文法や質問内容を理解し、人間の言語で回答を導き出すことができます。

テキストの感情、社交性、文体を解析

人間が使用する言語はパターン化されていません。時にはその文法が誤っているケースもあります。また、その書かれている内容には感情があったり、書いた人物の社交性や文体の癖などといった個性もあります。Watsonはこうした人間ひとりひとりの個性を解析し、質疑応答に役立てる機能を有しています。

テキスト文章⇔音声に変換

質疑応答をする上で必要なテキストは、投げかけられる質問や事前にインプットする情報が文章によるものだけではなく、音声ベースでのものとなるケースもあります。

また、回答も文章だけではなく音声で求められる可能性もあります。そこでWatsonではテキスト文章から音声に、あるいは音声からテキスト文章に、という変換が可能となるような機能もあります。この機能がWatsonの性能を向上させるのに大きな役割を果たしているのです。

WatsonとAIは何が違うのか

AIは人間の模倣

冒頭で「AIが人々の仕事を奪ってしまうのではないか?」と書きました。なぜ、人々がAIに自分の仕事を奪われる可能性を恐れるのでしょうか。AIは人間と同じ仕事をすることを目的に作られています。つまり、人間の行動を模倣しているのです。

同じ仕事を人間がやれば人件費という経費が発生しますが、AIに必要な維持コストは人件費よりも安いケースも少なくありませんので、企業が人間とAIを比較してAIを選択してしまうのは仕方がないことだ、と言ってもいいかもしれません。

ミスが少ないのもAIの方ですから、その傾向はさらに強まると言っていいでしょう。

Watsonは人間のサポートや助言をすることを目的とする

Watsonの開発に対する考え方はAIと根本的に異なります。仕事をするのは、あくまで人間です。

人間が仕事をする上で、何らかの判断が必要となった際、その判断の手助けをするのがWatsonの役割です。与えられた情報から最適な選択肢を、あるいは複数の選択肢を提供します。複数の選択肢を提供する場合は、有効度を数値等で示すこともあります。

こうしたサポートや助言を基に、最終的には人間が判断し、行動することになるのです。

Watsonが取り入れられている3つの場面

①コールセンターでの営業支援

企業のコールセンターには様々な相談や問い合わせ、時にはクレームが舞い込みます。そこでWatsonに商品やサービスに関する知識を、場合によっては想定できる事態を学習させます。

するとコールセンターに入ってきた問い合わせ内容をオペレーターの操作で瞬時に解析しオペレーターが回答する、あるいは何らかの手配をする上での判断材料とすることが可能となります。

オペレーターの回答が早くなることで、顧客満足度を高める役割を果たす結果となる可能性は高いと考えていいでしょう。

②医療業界での治療法の発見

医療業界でもWatsonは活躍しています。

例えば診察の際、患者の症状やレントゲン写真、血圧、脈拍などの検査データを基に可能性のある病名を提示することで、スピーディーでより効果的な治療法を見つけることが可能となります。最終的な診断結果を下すのは医師ですが、その判断が大幅に早まることが期待されています。

③メディアサービスでの様々なサービスに!

インターネットを利用して様々な情報収集を行う際、Watsonにその手法や目的を学習させることで、瞬時に効果的な情報収集を行うことができる可能性があります。

SNSの普及で、情報収集の際に閲覧すべき情報ソースが増えていますので、膨大な情報ソースの中から的確な情報を効率よく集める上で、Watsonの機能に期待が集まっています。

まとめ

IBM Watsonの特徴は、AIとの違いによく現れていると言っていいでしょう。人間の代わりに仕事をすることを目的としているのがAIであるのに対し、Watsonは人間の仕事をサポートすることが目的なのです。

行動を起こす上で、最終的な判断を下すのはAIなのか?それとも人間なのか?

Watsonは最終決定権を持つのが人間であることを前提に、判断を下す上で必要となる材料を提供することを目的としているのです。人間とコンピューターが上手に共有する社会を実現する上で、より現実的なのはWatsonの方ではないでしょうか。


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