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農業にかかわる人必見!話題のアグリビジネスについて

テクノロジーは日々進化し、近年では人が仕事としてできることに幅が出てきました。その動きに伴って働き方にも多様性が生まれています。ひとりひとりが働き方を見直すにつれ、都会での生活を切り上げて田舎に行き、農業へ転職しこれまでとは全く違う新しい生活を始める人もいます。

その中で最近大きく注目されているのがアグリビジネスという農業とビジネスの要素を掛け合わせた新しい事業のスタイル。従来の農業の在り方を見直し、より効率の良いものへとしていくことができるこのアグリビジネスは一体どんなものなのでしょうか。
今回は、
・アグリビジネスとは
・アグリビジネスの実例
・今後のアグリビジネスの展開

について解説していきます。

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そもそもアグリビジネスとは

最近注目度が上がってきている、アグリビジネスとはどういった定義のものなのでしょうか?また、なぜ今農業が再注目される対象へと変わっているのでしょうか?

アグリビジネスの定義

アグリビジネスとは、英語の農業という意味のアグリカルチャーとビジネスからなる造語です。農業において生産者をサポートし、農業に関する経済活動を行うことを言います。

農業とは単に農作物を生産するだけの産業ではありません。
農業を産業として成り立たせその繁栄を臨むには、農産物の加工、流通や販売が必要となります。

また、農業をビジネスとして、より生産性をあげたり収益を上げようと考えると、金融や資金の供給面での発展も必要となるのです。

そこで活躍するのがアグリビジネスであり、現在多くのアグリビジネスの方式が生まれ、これまで小規模であった農家の法人化や大規模化が進んでいます。

このアグリビジネスの規模が多くなるにつれ、革新的なテクノロジーを駆使し、資材や農機、農業システムについてコンサルティングを行う会社も多く出てきています。

アグリビジネスが注目される理由と農家が抱える3つの問題

なぜ今アグリビジネスが必要とされてきているのでしょうか?その理由は現在日本の農業が抱えている問題が原因にありました。この問題を解決することができるとされているのがアグリビジネスなのです。

現在見られる農業と食に関する課題は大きく分け3つあります。

①農業生産者の高齢化に伴う後継者不足

全国の農業従事者の高齢化が進んでいます。若者で農業を営む人が減少しており、農家の人口もそれに伴い減少しているのです。農家の人口が減るにつれ、使われる土地が少なくなり耕作放棄地が増加しているのもひとつの問題です。

また、農家に後継ぎがいないということは単純な人手不足という問題ではなく、これまで築いてきた技術が継承されないといった問題につながっています。

そのため、農業を一つの家族ですべて完結させる小規模な営みとするのではなく、企業的農業の大規模な経営に切り替え、収穫量を増やすことで収益をあげることと、省力化を図ることによって人手不足を補うことが今後の農業で期待されていることです。

②外国産の農作物の輸入の増加

TPPにより外国産の農作物が多く日本の市場に出回るようになっているのも農家にとっては大きな問題の一つです。多くの安い外国製品がスーパーに並ぶことによって消費者は安い外国産を選ぶようになります。

これを解決するために、日本の生産物も国外へ輸出する量を増やしたり、国内の農家ごとの競争率をあげ個々の農家の生産性や流通性を上げる必要が問われています。

③地方経済の発展

最後の問題は農業は地方創生に大きくかかわる産業であるという事実に基づいています。農業を発展させるためには様々な人の関わりを必要とします。流通のための会社、種苗会社、製造や加工に関わる会社、卸売業者、小売業者や外食産業者など。

多くの人が関わることにより、農業という産業が成り立っています。そのため農業に関わる人のつながりを深め、高めあうことによって、結果的にその地域全体の経済発展への貢献へとつながるのです。

現在の日本は農業という産業に関わる業者同士の連携がうまく取れておらず、高い技術者がいる種苗業者と優秀な生産者が結び付かないなど、業者間がそれぞれの実力を発揮しにくい状況にあります。

そのため結果的に一見効果が高いと思われるビジネスモデルも硬直してしまい、農業の発展がとまり、地域の経済も停滞しているという状態に陥っているのです。

この日本の農業が抱える3つの問題を解決するために、最新のテクノロジーを駆使しより農業に高い効率性を上げることでアグリビジネスが注目されているのです。

アグリビジネスの実例

農業の取り組み方の見直しを図っているアグリビジネスですが、具体的なものでいうと一体どのようなものがあるのでしょうか?今回は直売、産直、加工、直営レストランの4点の実例を挙げてみます。

農作物の直売

農家が生産した生産物をより高い利益率で売ることができるのが農作物の直売です。直売とは卸売業者や市場を通すことなく生産者が消費者に直接販売する方式のことをいいます。

これは野菜や果物や肉などをそのまま消費者に提供するだけではなく、生産者が収穫したものを加工し彼らの新たな商品として販売することも加えられます。

生産者のメリットとしては消費者に届けるまでに他の業者が間に入ることがないため、より市場価格に近い値段で消費者にうることができ、生産者自身の利益が上がります。

また、消費者と直接話をすることができるので、自身が持ち合わせる商品知識をそのまま消費者に伝えることができることや消費者のニーズを感じやすいというメリットがあります。

直売にすることでメリットを得ることができるのは生産者だけではありません。直売により生産者から購入することで、消費者はその生産物がどの生産者が提供したものか確認することができます。

そのため、消費者は農産物を安心して購入することができるのです。また、生産者がとれたての野菜や果物を持ち寄ることから、より新鮮な農作物を購入することも可能にします。

農作物の産直

農産物の産直は現在アグリビジネスとして注目されている方式の一つです。産直とはインターネットを介し、生産者が消費者に直接農産物を届けることができる販売方式です。

消費者が求める生産物をより効果的に探すことができるような消費者と生産者のマッチングサイトも登場しています。生産者の農産物が必要な人に届きやすくなることから、廃棄しなくてはいけない農産物が生まれにくくなるというメリットがあります。

このようなマッチングサイトの存在により、無農薬や低農薬の商品、また高品質を誇る商品など、生産者が行う独自の製法を消費者は購入しやすくなっています。インターネット上での購入のためサイトへの訪問者が増えるにつれて、口コミが広がるのも産直の一つのメリットです。

また、産直は直売同様に、消費者と生産者の間に業者を挟むことがないため生産者はより高い利益率で農産物を販売することができます。

直営レストラン

農作物の生産者が経営する生産者のレストランもアグリビジネスの取り組みの一つとして広く取り入れられています。

このようなレストランは生産者が経営することから直営レストランと呼ばれ、ビジネス範囲を多角的に広げることができる直営レストランを経営する農家は徐々に増えてきています。

直営レストランで提供される料理の種類は和食やフレンチ、イタリアンなどその農家ごとに様々ですが、農家は自身が育てた野菜や果物などから季節のメニューやオリジナルのメニューで農場を訪れる人々に新しい経験を与えています。

地産地消の最終形ともとらえることができるこの直営レストランの一番のメリットは食べている食材の作り手をその場で確認することができることです。

どんな人が作ったものなのか、また農場を目の前に食事をすることができることで、どのような場所で生産されたのかも確認することができ、これがレストランを訪れる人の食に対する安心につながることでしょう。

また直営レストランによっては、その取り組みは様々です。レストランの調理場で加工したものをその場で購入できることや、そばやうどんなどに、継承されている昔ながらの製法を取り入れたり、レストランによって田舎だからこそできる工夫もなされています。

アグリビジネスをめぐる今後


今後注目度が高いアグリビジネスですが、今後の動きはどうなるのでしょうか?海外展開、ビッグデータの利用、デジタルマーケティングの利用の3点から解説します。

急速に進む海外展開

海外製品が大量に日本国内に流入しているこの時代で、日本国内の農家にも海外に対しての意識の変革を迫られています。

これまで、日本の農産物は国内で消費されている割合が高く、安い海外の農産物が市場に出回ることで、日本の農家の生産物が居場所を見出せなくなってきています。

そのため日本の生産物も海外へ輸出するという選択肢をもつことでマーケットの領域を広げる必要があります。

しかしアメリカやオーストラリアなど広大な土地を有する国に対し、狭い国土の中で収穫量を上げていかなくてはならない日本の農家では効率の点からいうと勝ち目は少ないでしょう。

その逆境の中で日本の農家が今後意識しなくてはいけないのは高い質です。テクノロジーの分野で強い日本はビッグデータやロボットを広く活用することで、一つ一つの生産物の質を高めるということができ、このテクノロジーを駆使することに今後の期待が寄せられており、アグリビジネスへの流行りにつながっているのです。

海外で起きている和食ブームにのり、生産物を輸出するルートを見つけ出すなど海外に生産物を送り込む方法は多岐にわたりますが、現在日本の企業ではすでに動きだしているものもあります。

例えば、アルゼンチンに子会社を立ち上げ、現地の企業とパートナーを組むことで新しいビジネスの範囲を広めている取り組みをしている企業や、食と農業をテーマに開発都市のコンセプト設計をするといった事業がすでに行われています。

このように、海外と日本の農家を結びつけるのは単に生産物の輸出だけではないことがわかります。

農業関連のビックデータの利用

アグリビジネスを進めていく中で大きく注目をされているのがビッグデータの使用です。事業に役立つ知見を導入するために使用されるデータであるのがこのビッグデータですが、大きな選択を迫られる機会が多い農業分野の中でもこれは大いに活躍します。

具体的にビッグデータは
・センサーを地面に差し込むことで土壌が持つ水分量や栄養分を確認
・トラクターに取り付けるデバイスで収穫量に予想を立てる
・側候所により気象を予想
・衛星のイメージキャプチャリングを使用し、圃場や作物の状態を上空から一度に確認

のような使い方をされています。

気候変動や価格変動のために意思決定を迫られる機会が多い農家ですが、ビッグデータにより収集されたデータや処理分析のおかげで、灌漑を行うタイミングや収穫や栽培の時期決定をすることができるのです。

しかし農場でのビッグデータの利用は課題もあります。一部の農家には紙とペンを使用しながらの業務に頼っているところも多く、管理体制をガラリと変えることに戸惑いや抵抗があるのも事実です。

ビッグデータを投資することでいかに農家にとって大きなメリットが短期的で手に入れることができる保証があるアピールをいかにしていくかが大きなカギとなるでしょう。

農業分野でのデジタルマーケティング

これまでの農業ではブランド物以外はマーケティングからほど遠く、小規模な生産力のままであるといった生産者が多く存在しました。

これには農家自体にマーケティングをする余裕がなかったことと、農家をサポートする中間会社も季節性と収穫量に大きく左右される農家のビジネスの特色から、市場の安定を求める取り組みをする傾向にあり、マーケティングの広がる余地はありませんでした。

しかし現在のテクノロジーの新歩と地域の発展を目指す取り組みが増えたことから、農家に対するマーケティングが見直されているのです。

インターネットの普及により、多くの消費者が簡単に情報をキャッチできる時代になっています。その特色を生かし、現在農家が使用しているデジタルマーケティングの中に、オンラインコミュニティの活用があります。

オンラインコミュニティでは、顧客から生産者へえ新製品の提案をすることができたり、製品の普及案を考案したりすることが出来ます。

このオンラインコミュニティのなかで、農家はより顧客のニーズに寄り添った生産物を生産することができるのです。

まとめ

多くの問題を抱える農家を救う手段の一つとしてアグリビジネスが注目されています。最新のテクノロジーやマーケティングを利用し新しい取り組みを行うことで農業としてのビジネス分野も大きく広がることでしょう。アグリビジネスによる今後の日本の農家の可能性に期待です。


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